未照射燃料実験
 
 未照射燃料とは、まだ原子炉で使用されていない新品の燃料のことです。NSRR実験では、発電用原子炉の燃料棒とほぼ同じ仕様で長さだけが短い燃料棒を用います。この実験燃料棒に圧力計や熱電対(温度計)を取付けて実験カプセルに収め、炉心に装荷してパルス照射を行います。実験カプセルはステンレス鋼製で、内部で燃料棒が破損しても放射性物質が外に漏れることがないように高い気密性と耐圧性を備えています。
 パルス照射中に計測する圧力や温度といったデータや、実験後にカプセルから取出した燃料の詳細な検査結果などから、反応度事故時の燃料のふるまいを推定します。
 標準的な実験カプセルでは冷却水は室温・大気圧で静止状態ですが、目的に応じて高温・高圧条件や流動条件を実現する特殊なカプセルも用いられます。また、燃料の様子を観察するための可視カプセルも過去に用いられました。